こんばんは 太郎兵衛様
太郎兵衛様と友人の方でのお話で疑問点があったようですね〜(笑)(エキサイターのエンジンとVXのエンジンの共通性を質問しました)
そのExciterのエンジンとVXのエンジンの融合ってことですね!
ありゃあ苦労しました。

構想半年、ローン1年…(爆)
それで血と汗とマ二ュアルの照らし合わせで組みあがった結晶でしたね〜〜。

もともと、出入りしていたショップのオーナーがMIE(モリオイトーエンタープライズ)伊藤盛男様のいとこだったのですよ!
もう既に御存知のように、その方はYAMAHAのワークスライダーでした。
日本人で初めてアメリカのオーバルアイスレースで優勝し、“カミカゼ”と言われたそうです。

その方がバックにいましたので常にコンタクトが取れ、綿密に計画し、「GO!!」サインが出されまして、
国内初と言いましょうか、前代未聞のマシンが出来上がったのです。

今ではポピュラーになってきました2.5インチ62Linkのトラック・・。
日本で最初に入荷し、最初に奪い取ってしまったのがこの私…(苦笑)

MIE(伊藤様)にデータのフィードバックを確約し、確か8月のお盆過ぎに車庫の中では大改造が始まったのです。
そりゃあその昔、PZの開発をしただけあって、モービルの事は隅から隅まで知り尽くされていますから安心していましたが、
なにぶん、誰もやったことがない!前例がない!とのことで苦労苦労…。アイデアと「こうなるんじゃないか?」の
予想でしか動けなくって非常におっかなびっくりモービルを組み上げていったものです。

ちなみに構想のネーミングは「MIE MonsterEX710」でした。
62リンクを最初どうやって作ろうか?どうやって延長すんの?フレームは?エクスチェンジャーは?と
次々に問題が・・・。毎日毎日車庫の中で頭は動くが手は動かない状態が続いていました。

トラック総延長の差分を計算し、円周率で割り・・・と大体の長さが判明し、あの延長キットが生み出されました。
MIE製で製作回数3回…(笑)
そのたびに写真を撮ってFAXで転送していましたね…。

今のようにデジカメが安くなくて手が出ませんでしたから(笑)

それができて組んでみて、気がついたらクローラー周りがちょっと変と気が付き、あれやこれやまた電話で数十分。
静岡までの電話ですので毎月の電話代が3万円くらいにまでなってしまいましたね。カミさん怒る怒る……(爆爆)。

そんなこんなで、クローラーの9Tから8Tに変更ってことで、また海外から輸入〜〜。
エアー便なもんでこれがむっちゃ高い!!
車のジャッキを改造してキコキコと交換しまして…。ありや使いましたね〜、何台やったことか…。

ピボット位置をトラックの高さの差分下げて、位置も後方にトラック差分移動です。
そしてリアヒートエクスチェンジャーを一回半分に切り、フラット化しフレームにべタ付け。
このアルミ溶接は近所の鉄工所のおっちゃんに頼んでやってもらいました(笑)
ボッタクリ価格の5000円(^^;

できなかったから仕方がなかったですけど…。
あとは自分で仕上げをサンダーなどで綺麗にしましたね。

なんか形が異常におかしいんですけど…。って感じになったけど、既に取り掛かってから2ヶ月。
目も慣れ始めていましたが、初めて見た人には「何じゃこれ?曲がれる?」なんて聞かれましたけど
「何も考えてない!大は小を兼ねる!」なんて言ってましたよ(笑)。

そこでエンジンがまだ載っていないのでこれも大変!
ExciterUのエンジンでは650ccで走っていましたから大体のパワーは判っていましたが、
今度はトラクションが巨大でラグも倍以上の高さになるのであれば、もっとパワーが!!
でもPSIのコンプリートエンジンには手が出ないし・・・。パーツ供給も大変だし・・・と。

そうだ!VXのエンジンのボアアップVerが載らないか?

と沸々と頭の中で妙な考えが…(既に泥沼状態でした…爆)。
パーツリストを2冊並べ、友人が買ったばかりのVXを借り、メンテしてあげるから…と言いつつ
入庫した日に即エンジン降ろしバラバラに…(大爆笑)

そこで判明したのが、フレームの幅の違いでどうしてもマウントがうまくいかない!
クランクケースを上下で合わせたらすっぽり合うじゃない!クランクもコンロッド番号もー致!!
こりゃあイケる!

あとはチェーンケース周りと冷却の問題だけ。
ウォーターのインペラがVX系は大きくなってるだけ。ケース番号は同じ!
そこからが行動開始!既に11月。

腰下のケースがエキサイターU、その上がVX用。
そうなんです。スタットボルトがまるで違うのでクランクケースの上はVXになるのです。
マウントはEXのフレームですからそのままOK!!

スタットボルトも部品ですべて購入。シリンダーはMIEで直で購入してもらい、試作品の710ccボアアップ加工が終わり、
試験的に販売しようと考えていたものを横取り…。(またまた横取りしちやいました)

キャブもVX用のを新品購入し、鉄工所に持ち込んでいきなりボアアップ!(笑)
ですから肉厚は薄く、ファンネル仕様になってしまいました。

ファンネルもショートテーパーのタイプとロングストレートタイプを用意して、セッティングに備えます。
そうしてまた問題…。アクセルレバーやワイヤーリンケージもすべて交換…(泣)
これで済めば良かったのですが…。

メインジェットが判明していない!すべてが全く前例無し!!
データ取りがてら、これでもか!!!!ってくらいにメインジェットを揃えて…。プラグも10番のレーシング物。
カブったら交換しなくちゃいけないんで6本購入。

さて、ここからまた驚きの展開!
MIE伊藤さんもワルノリ!!「せっかくやるんだったらこのピストン使ってみて!」と
送って来たピストンを見てこれもまたびっくり!
排気ポート側のスカートがスッパリ切っていて何も無し。ピストン吸気ポートも恐ろしくデカイ!コンロッド丸見え!
シリンダーも吸気ポートと排気ポートが拡大されてて…なんか思いっきりガッポ状態・・・(笑)
んじゃあ、吸気効率も考えて!とV-Forceのカーボンリードバルブにユニット交換。
最初に構想してたので、純正は揃えてはいたものの、全くの新品状態。
車庫内でのみ装着し、エンジンをかけアクセレーションしただけ…。

期待十分!でも変な…妙な不安感がよぎりましたね〜〜。あの時は・・・。

「これってピストンの頭振っちゃうんじゃないの?」と思うも、セットしなきゃそれしかピストンが無い!
もうどうにでもなれ〜〜つて感じでしたね。

毎日毎日、帰宅したら晩飯食って直行ガレージ!!
趣味だか仕事だかわからん状態でした。

12月の初旬、河川敷の原っぱで試験走行。

最初ビビリもあって、思いっきり濃いジェットから・・・。
ゴボゴボ.こりゃ走らん!
あれやこれやと順次ジェットの番手を下げて…。

だんだん回るようになってきて、もうちょっとと思い一気に二段階番手を下げて・・・。
その頃にはリコイル引っ張り地獄でヘロヘロになってました(^^ゞ
圧縮が高くて引っ張るときも両手で満開引っ張りなのです!

さてアイドリングで・・・ゼーゼー言いながら休み休み…。アクセルをいつものようにガバっと…。
油断していまして、後ろに私、落ちました(笑)。

とんでもないトルク感と、強烈なグリップ!異次元〜〜って感じでしたね。
ジャストミートした瞬間でした!

それからはもう麻薬状態の全開ダッシュ!
キャブの吸気音とチャンバーの聞いたことも無いような甲高い音がヘルメット越しに聞こえてきます。
メーターも恐ろしく上がりが早いんですね!
考えてみたらそれもそう…。クローラーの歯の枚数が違いますから…。

それはPZのメーターセンサーを移植しました。
クローラーシャフトとフレームで挟んで止める部分の…。あの3本のボルトで止まる面倒なやつですよ(笑)
スピードメーターのワイヤーを取り付ける部分です。四角いピンが入るやつ…。あれ、あれです!(名前忘れてしまいました)

その後、VXの4発(750ccの初代)と走っても遜色なくヒルクライムで戦えましたよ!
殆ど上り出したらスキーは接地しない状態で上がってましたから(*^^)v

ちょうどそのシーズンの春、北海道で初の雪上ドラッグレースがあって、600ccOVERクラスで
3位になったのです。搭載されているエンジンを知らないモピラーは「何やってんの?これ?」と
シュラウドの隙間から覗き込んでいましたけど、しっかりガムテープで塞いでました(爆)。

トラックも強烈でしたので(その当時は)北海道のバイク雑誌DO!Bikeという雑誌にクローズアップされ、
「見よ!この原型のうっすら残ったモービルを!トラックも半端じやない!」なんてコメントが書かれていましたね。

それで全日本戦の選手権でMIEサポートのチームのスタッフとして出かけまして、
クラッシュしたり、リタイヤしたチームの車両を牽引して走ってましたが、ギャラリーからは「あれ何?」って指刺されまして…。

ほかの方が乗ってアクセル満開で走ったら首が後ろに置いて行かれてました(笑)。
見て大笑いしましたよ。

エキサイターは外観のみ。中身はフルチューンド状態。
それが改造の醍醐味ですね!

MIE(エム・アイ・イー)の伊藤盛男さんはやはり神様状態です。
この方が特別参加したとき、選手が半周した後にスタートしたのです(ハンディキャップとのこと)。
2週もしたら先頭になってました!^^;

最線的には全台ラップしてゴールし、「いや〜〜、疲れちゃったよ。何年ぶりに走ったもんだから、ヒザが笑っちゃって」だって。
鬼みたいな人ですね。走りに関しては…。

ですから、私のチューニングは全て出入りしていたオーナーもチューニング大好きで、そのオーナーとMIEの伊藤盛男さんが
いとこで…と全てがシンクロしてしまったことからきっかけでギヤが入ってしまったんですね!

エキサイター、そして一気にVX800。
納車になった日にそのショップのオーナーと一緒にエンジン降ろし(半壊状態になってます…頭が)
930ccにボアアップ+ターボとバカ一直線。
VX800最終モデルの赤を今のヤマハブルー(メタリック)にして全塗装。

もうイテマエ打線状態でした。
今頃、そのお金があれば、セルシオの新車は買えていたでしょうね〜〜。
でも後悔してませんよ!!(^^)v

趣味は本気でやってこそ最高ですから!!

これが私のチューニングの変遷かな・・・。話のネタにでもなりますかね?
笑っちゃってくださいまし。

ではでは。


北海のスノモ狂(仮名)   2003/11/19   
スノモ狂の詩
これは 数年前にネットで知り合った方からメールで頂いた、スノモ奮戦記です。お時間のある方、興味のある方はどうぞご一読ください!

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